タマコシ シネマティック ユニバース

主に映画レビュー。その他はどーでもいーこと

映画『新聞記者』を観て感じたこと

 

昨日、ずっと気になってた (コレは今観とかないといけないと思ってた)映画を観てきました。
1ヶ月程前に観に行った『天気の子』もむちゃくちゃ良くて感動したんだけど、レビューサボっててごめんなさい (誰に謝ってる?)。今作は全く違うベクトルだけど、コレは早く書いとかないとと思って書いときます。

 

 

『新聞記者』

日本・2019.6.28公開

ドラマ・サスペンス

 

f:id:tamakoshi21:20190902212609j:image

 


先に観に行った友人が言っていたように、「気持ち悪い」という感情を抱いた。

 


この映画を観る日本人には2種類の人間がいる。「これはフィクション。こんな異常なこと、現実ではありえない」と感じる人と、「このような恐ろしい事が、実際に現在の日本では平然と行われている。そして、その傾向はどんどん加速している」と感じる人だ。

 


私は後者である。

 


作中で出てくるニュース事件が、ここ数年の現実のニュースと重なる。モリカケ問題、レイプもみ消し、反政権者へのデマによるスキャンダル。全て把握しているわけでは無いが、あまりにも実際のニュースのメタファーが多い。

 


権力と良心との板挟みで自殺した神崎さん。これは官僚の世界に関わらず、一般社会のブラック企業に勤める人たちとも重なる。正直者がバカを見る。一方でロボットのように権力に従い、保身のみのために働き、自らの行いによって傷つく人や命を落とす人がいる事を想像もしない(または見て見ぬ振りする)。

 


偉そうな事を言ったが、明日は我が身だ。僕も「生きたければ、アイツを殺せ」「家族を守りたければ、従え」、そう言われれば泣く泣く手を汚すかもしれない。

 


そんな葛藤に苦しみながら、戦っている人、屈した人が権力者側の中にも眼に見えないだけで沢山いるのかもしれない。そんなことを感じたのが今作最大の学びかもしれない。

 

 

 

話題の今作だけど、今僕が恐れているのは、DVDやBlu-ray発売・動画配信・TV放送ってなった時に、キャストスタッフの不祥事(捏造)やら表現の規制やらなにかと理由をつけて、配信販売の禁止 (自粛)とかになり多くの人が今作を観れなくなってしまうこと。そういう事も十分にあり得ると思いながら、そうならない事を願っている。