タマコシ シネマティック ユニバース

主に映画レビュー。その他はどーでもいーこと

映画採点用のチェックリストを作りました

映画採点用チェックリスト

 

 

年末になると、映画ファンとしては年間ベスト10を決めたくなる。12か月前まで遡って、鑑賞した作品を思い出し、書いていなかった作品のレビューをまとめて書く。忘れていた作品、漠然とした感想はあるが内容をはっきり覚えていない作品、良かったけど鑑賞当時書く暇が無かった作品、etc….。掘り起こしてみると、思っていたより多くの数を観ていたりする。それらを一気に書くのは、かなり体力がいる。普段レビューをサボっていたつけ、自業自得だ。

しかしそれ以上に問題なのは、ジャンルも思い入れも観た時のコンディションも異なる数十本の作品に順位をつける作業だ。ある程度の優劣はつけられても、同じくらい好き(でもジャンルは真逆)といった作品が重なった時などでも数字としてはっきりランキングをつけなければならない。

レビューや採点基準が毎年毎作品ごとに変わるのは良くないと前々から思っていた。良い機会なのでジャンルや鑑賞時期に関わらず(出来る限り)一貫した基準で点数をつけられる採点表を作成した。

 

今後まだまだ改良する可能性はあるけど、とりあえず「2020年年間ベスト」では、これから紹介する採点表(チェックリスト)を採用する。

 

 

概要

 

 

 

点数はフィルマークスにならって50点満点(5.0=0.1×10)

大きく分けて三つの項目

【基本点(鑑賞影響・感情・内容)】と【ボーナス点】と【マイナス点】

 

鑑賞影響
鑑賞前の興味、序盤のつかみ  序盤
もう一度観たいか  再観
人に勧めたいか  勧め
誰かと観たい。語りたい。  語り
感情面
笑い、ユーモア  笑い
涙、感動、心動く  泣き
興奮ハラハラドキドキ  興奮
登場人物への応援共感  共感
記憶に残るシーンやセリフ  場面
内容面
終わり、まとめ方の良し悪し  終結
独創性、唯一無二  独創
配役、演技  配演
撮り方、演出、構成  撮構
物語の面白さ、わかりやすさ  楽易
     
その他ボーナス
制作側の思い、熱意、精神性  熱意
学び、社会問題、風刺  学び
サプライズ、良い意味での裏切り  驚愕
映画だからこそ  映画
優しさ、強さ、爽やかさ、美しさ  美爽
宣伝予告、求めていたものか  求め
思い入れ、思い出補正  思出
その他ボーナス  他ボ
     
減点対象
モヤっと、納得いかない点  
大きな矛盾、整合性の無さ  
観ていられないレベルの演技  
雑なストーリーや演出  
原作やシリーズに対するリスペクト欠落  
露骨な商業主義、映画文化やファンへの冒涜  
その他不快要素  

 

【基本点】+【ボーナス点】-【マイナス点】=【作品合計点】

という具合だ。

以下、それぞれどういう場合に加点するかの説明

 

 

 

【基本点】

ジャンルに関わらず、私が思う「良い映画」が持ち得る要素を14つ挙げた。

それぞれ0~3点をつけて満42点

 

 

 

鑑賞影響

①≪序盤≫鑑賞前の興味、序盤のつかみ

予告編や映画記事やニュース等やtwitterから流れる感想等から得られる鑑賞前の予備知識から、どれだけ期待できる(期待していた)か。または、本編の序盤数分で「この作品は期待できる!確実に面白い!」と思えるモノかどうか。

満点例『シン・ゴジラ』『カメラを止めるな!』など、オタクや映画好きが「凄い!面白い!」と騒いでいる。

 

②≪再観≫もう一度観たいか

文字通り再鑑賞を望むかどうか。3点「何度でも観たい」、2点「最低でもあと一回は観たい」、1点「機会があれば観るかも」、0点「べつにもう観なくて良い、2度と観たくない」

 

③≪勧め≫人に勧めたいか

文字通り。3点「老若男女誰にでも勧められる」、2点「人によってはオススメ」、1点「勧めるほどではないけど観たけりゃ観れば?」、0点「観ない方がいい。時間の無駄」

 

④≪語り≫誰かと観たい。語りたい

「言いたい!語りたい!他の人の感想が聞きたい!」の度合い。

 

 

感情面

⑤≪笑い≫笑い、ユーモア

観て笑えるか、心が明るくなるかの度合い。

満点例『マスク』、『少林サッカー』など

 

⑥≪泣き≫涙、感動、心動く

「泣いたかどうか」以外にも「心を揺さぶられたか」とか「ほっこり温かい気持ちになったか」等も含む。

満点例『ニューシネマパラダイス』、『ショーシャンクの空に』など

 

⑦≪興奮≫興奮ハラハラドキドキ

サスペンス要素やアクション要素、手に汗握るか、どれだけテンションが上がるか。次の展開が気になるか。物語に引き込まれるか。

満点例『トイ・ストーリー(終盤引っ越しシーン)』、『スクリーム』

 

⑧≪共感≫登場人物への応援共感

キャラクターに感情移入ができるかどうか。親近感が湧くか。

満点例『魔女の宅急便(キキ)』、『500日のサマー(トム)』

 

⑨≪場面≫記憶に残るシーンやセリフ

その作品の価値を決定付けるセリフや、「コレを観るためだけにでも観る価値あり」と言えるシーンがあるかなど。

満点例『アベンジャーズ エンドゲーム』(アッセンブルシーン)、『スタンド・バイ・ミー』(ラスト主人公のセリフ)、『スパイダーマン(2002)』(大いなる力には大いなる責任が伴う)

 

⑩≪終結≫終わり方、まとめ方の良し悪し

観終わった後、スッキリするか。

満点例『ダークナイト』『トイ・ストーリー3』など

 

⑪≪独創≫独創性、唯一無二

あまり見かけないアイデアや他作品との差別化に成功している要素など。そのジャンルの起源になりうる作品など。

満点例『ゾンビ』『ゴジラ(1954)』『バック・トゥ・ザ・フューチャー

 

⑫≪配演≫配役、演技

ハマリ役。演技の上手さ。

満点例『ダークナイト』のヒースレジャー、『万引き家族』の樹木希林

 

⑬≪撮構≫撮り方、演出、構成

粋な演出、捻りの効いた構成。メイキングが観たくなるもの等。

満点例『エイリアン』『パルプフィクション

 

⑭≪楽易≫物語の面白さ、わかりやすさ

文字通り。話の分かりやすさ。

満点例『天空の城ラピュタ』『マンマミーア』

 

 

 

【ボーナスポイント】

上記14項目以外で特別加点したい項目が各2点満点、もしくは上記基本点項目で3点では足りないモノ。

 

①≪熱意≫制作側の思い、熱意、精神性

制作側の伝えたいメッセージやこだわり等が伝わるか。

加点例『この世界の片隅に』『戦場のピアニスト』など

 

②≪学び≫学び、社会派、風刺

主に社会派作品など。何かしらの学びがあるか。

加点例『それでも僕はやっていない』『帰ってきたヒトラー』など

 

③≪驚愕≫どんでん返し、良い意味での裏切り

予想を良い意味で裏切る展開やサプライズ。

加点例『シックスセンス』『猿の惑星

 

④≪映画≫映画だからこそ

映画にしかできない事か、映画の楽しみ方を最大限生かせているか。

加点例『カメラを止めるな!』『デットプール』メタ表現

 

⑤≪美爽≫優しさ、強さ、爽やかさ、美しさ

その作品から何かしらポジティブな印象、雰囲気を感じるか。

加点例『きっとうまくいく』『ライフイズビューティフル』

 

⑥≪求め≫宣伝予告、求めていたモノか

観ようと思ったキッカケ、イメージ通りか。または期待以上だったか。

加点例『ワールド・ウォーZ』(前情報「大作ゾンビ」)、『インターステラー』(前情報「数十年ぶりの正統派SF」)

 

⑦≪思出≫思い入れ、思い出補正

幼少期や学生時代に好きだったり夢中になった作品。金曜ロードショーやVHSで何度も観た作品。またはその関連作品。

加点例『ホームアローン』『学校の怪談』『天空の城ラピュタ

 

⑧≪他ボ≫その他ボーナス

上記7項目以外で加点したい要素があれば。

 

 

 

【減点対象】

基本的には減点するつもりはないが、よっぽど酷い作品、怒りや呆れを感じる作品は減点する。

もしくは、好きすぎる故に忖度えこひいきしている自覚のある作品、基本点とボーナス点を多く付け過ぎた場合などは、粗探し的にここで減点して調整してみたり。

 

  1. モヤっと、納得のいかない点
  2. 大きな矛盾、整合性の無さ
  3. 観ていられないレベルの演技
  4. 雑なストーリーや演出
  5. 原作やシリーズに対するリスペクトの欠落
  6. 露骨な商業主義による映画文化そのものへの冒涜や既存ファンをないがしろにした作り
  7. その他不快要素

 

これらに関しては、具体的な作品は上げないでおく。

 

 

 

以上が今回作った映画採点方法。今後改良する可能性はあるけど、2020年の年間ベストはこれを採用する。

 

年内に、間に合うかな…