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『テネット』 ~初鑑賞の感想~

 

 

 

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映画館は闇に包まれてしまった。だが、決して映画がその価値を失うことはない。

この危機を乗り越えた時、人々の集まりたいという想いや、ともに生き、愛し、笑い、泣きたいという願いは、かつてないほどに強くなるだろう。映画館はそのすべてを、私たちにもたらしてくれる。

だから、私たちには映画が必要なのだ。

クリストファー・ノーラン

ワシントン・ポスト」紙への寄稿文抜粋 2020年3月21日付

 

 上記は、映画『テネット』のパンフレットの1ページ目にあった文章。

 

という訳で、今年最大の話題作(?)、『テネット』を観てきた。

 


映画『TENET テネット』ノーラン監督メッセージ&スペシャル予告編

 

『TENET (テネット)』

公開日2020.9.18(日本)

制作国 アメリカ/イギリス

SFアクション、スリラー 150分

 

鑑賞日2020.9.22

IMAX 2D字幕

 

 

ダークナイト』からクリストファー・ノーラン監督のファンになり、半年くらい前の新作速報を聞いた時から楽しみにしていた。SFの中でもタイムトラベルモノが大好きなので、予告編での「タイムトラベルではない。時間の逆行だ」というセリフと映像を観てから「ワクワク」と「????」がずーと頭にあった。

クリストファー・ノーラン監督と言えば、「2時間30分当たり前」「難解なストーリー」で有名。私のオールタイムベスト『ダークナイト』も白状すると、初観時はちゃんと理解していなくてジョーカーの迫力と雰囲気の凄さで好きになり、何度も観返しているうちに内容を理解して大好きになった。『インセプション』は何度か観ているけど、映像は凄いと思うものの、ちゃんと理解しているかというとそうじゃない。そして『ダンケルク』は史実なので歴史の勉強にはなったけど、正直あまり面白いとは思えなかった。『インターステラー』は、科学を事細かく理解できなくとも最後家族愛に感動した。

 

そんなノーラン監督の最新作という事で、1回目の鑑賞と何度も観返した後では、おそらく評価が変わると思われる。なので初鑑賞直後でネタバレレビューも解説記事も一切読んでないうち記憶が上書きされる前に、貴重な初鑑賞時の感想を記録しておこうと思う。

 

重大なネタバレは書いていないつもりですが、これ以降読む方は自己責任でお願いします。

 

 

前半30〜60分くらい

「悪い組織が世界大戦を起こすために暗躍していて、良い組織が何も知らない主人公を雇ってソレを阻止しようとしている。」という大まかな流れは理解できた。

が、具体的に何がどう危険で、誰が何を企んでて、誰が敵で誰が味方か、そして何が起こっているのか、が具体的には理解できなかった。

だから中盤、話の流れに頭がついていかなくて、「あれ、俺この作品ちゃんと楽しめるのかな…。」って苦痛で不安になってきた。

 

しかし、主人公が「時間の逆行」世界に入ってからが急激に面白くなった。隅々まで起こっている事を理解できているわけではないけれど、スクリーン上に映るその現象・映像・ビジュアルだけでワクワクドキドキして、次どうなる?と興味をそそられる。そして次々と前半のあのシーンこのシーンと繋がって、「なるほど!」と感覚的に理解していく(頭では理解していない)。そして観終わった後に、面白さで心は満足しているのに、理解しきれていない事に物足りなさを感じた。だからすぐにもう一度観たくなった。

 

 

結論

一回目の鑑賞時点では、めちゃくちゃ面白かったものの、脳が「キャラクターの相関図」や「起こっている現象の仕組み」等を理解しきれていないので最高評価とまではいかない。しかし、観終わった時点で既に「解説を読んでもう一度観たい」と思ってしまう。解説を読み込んで何度も観返せば自分の中で傑作になり得る可能性がある。そんな作品だった。

思えば、「ダークナイト」も「インセプション」も「インターステラー」もそんな作品だったと思う。

 

 

という訳で、今回は滅多に買わないパンフレットを買った。パラパラ読みしてみたけど、各キャスト・スタッフのインタビューはもちろんだけど、「時間の逆行」がどういう現象なのかの具体的解説や作中での各キャラクターのたどった足跡(時系列?)等が丁寧に記されてあるっぽい。このパンフレットを読み終わってから、もう一度観るのが楽しみだ。

 

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パンフレット。正方形で上下対のデザインなのが洒落てる。