タマコシ シネマティック ユニバース

主に映画レビュー。その他はどーでもいーこと

有終の美 『アベンジャーズ/エンドゲーム』 レビュー

前半ネタバレ無しです。

 

 

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現在、話題沸騰中!

アベンジャーズ/エンドゲーム』観てきました!

 

ありがとうアベンジャーズ!ありがとうマーベルスタジオ!

 

ブログ名からもわかる通り、僕はこの『マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)』の大ファンです。知らない興味無いという人からするとドン引きされるかも知れませんが、僕は公開二日目の仕事終わり初鑑賞で号泣、昨日は三回目の鑑賞をしてきました。MCU作品は2012年『アベンジャーズ』公開前に過去5作をDVDで観て以来は、全作品劇場で観てきましたが、今まで観てきて良かったと心の底から思いました。次回作『スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム』予告編(注意*今日発表予定の新予告編では、エンドゲームのネタバレを含むらしいので視聴にはご注意ください)では「ニックフューリーに夏休みを支配される」というセリフがありますが、僕は、エンドゲーム(MCU)にゴールデンウィークを支配されていました。既に多くのファンがレビューを書いていて、投稿しといてアレですが、僕なんかよりもわかりやすく面白いレビューはいくらでもあるので他を読んだ方がいいです。が自分の感情を整理する意味も込めて、久しぶりに下手くそなりに長文のレビューを書こうと思います。話題の通りネタバレ厳禁の作品なので、前半は少しだけ知らない人と未鑑賞者向けのネタバレ無し、後半からネタバレありのレビューを書きたいと思います。

 

 

今作は2008年『アイアンマン』から続く『マーベル・シネマティック・ユニバース』(以下MCU)シリーズの第22作目であり、その主軸となる2012年『アベンジャーズ』の4作目にして完結編です。

4月26日日本公開(世界最速は中国の4月24日)の今作。これを書いている2019.5.6時点で、既に世界興行収入21億9000万ドル(約2430億円)に達して、歴代第2位になっているそうです。現在の世界興行収入1位は2009年『アバター』の約27億9000ドル。そう、このままの勢いで行くと、我々は映画の歴史が塗り替えられる瞬間を目の当たりにできるのです!

今までのMCU作品は、基本的に一見さんでも楽しめる工夫が散りばめられていました。だが今作に関しては、シリーズをずっと観てきているかどうかでドラマ展開やファンサービスへの感動の大きさが300%ぐらい変わる。そして、1度目よりも2度目、2度目よりも3度目が面白い。観るたびに新たな発見があり、過去作を観直したくなる。過去作を観るとまた劇場で本作を観たくなる。そんなスルメのような作品です。MCUはインフィニティーストーンをめぐる物語ですが、語りポイントが無限に存在するインフィニティーストーリだと思いました。

 

 

 

以下、ネタバレありです。 

 

 

この先、『アベンジャーズ/エンドゲーム』『アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー』を含むMCU22作品全てのネタバレが含まれています。まだ未鑑賞、楽しみにされている方は、この先の閲覧をお控えください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

復讐の無意味さ

序盤、サノス惨殺にはいきなり驚かされた。そこに感じたのは、復讐(アベンジ)の無意味さである。コレは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でもトニー、ティ・チャラ、ジモの三人の視点で描かれたことだ。(詳細は別の機会に、『シビル・ウォー』のレビューで)

インフィニティーストーンが破壊された後でサノスを殺したところで、指パッチンで消えた人々は戻ってこないのだ。このサノス殺害に、もはや意味は無く、ソーの一時的な憂さ晴らしでしかない。そして、劇中トニーのセリフにもあるが、その後のソーの姿からもわかる通り結局、復讐や怒りはその人間を腐らせる。

 

 

変えられない現実 それでも前へ進む

そして続く5年後の描写。ここで描かれるのは「変わらない現実。変えられない過去」と「それでも続く現実。だから少しずつでも前に進む事(未来は変えられる)」だ。半分の人間が突如として失われた世界は、テロや災害など我々の住む現実世界にも通ずるものがある。テロ、災害、病気、不慮の事故、etc…理由はいろいろあるだろうが悲しみは人生に突然訪れる。それでも現実は続くし、不幸な日常だろうが小さな笑いが生まれることだってある(ハルクバナーのくだり)。自分たちは不幸でも隣の家では幸せが続いていることだってある(トニー一家)。そんな現実でも迷いながらでも少しずつでも前に進むことの尊さをスティーブは語っている。

そして、小さくても希望があれば、そのために全力を尽くして前へ進む。その小さな希望が「スコットラング」であり「タイムトラベルの可能性」なのだ。僕はタイムトラベル系SFが好きなのですが、今作で感心したのはタイムトラベル要素をガッツリ取り入れつつも「現実(過去)は変えられない」ということを最初から提示している事。彼らが過去に行くのは、あくまでも「過去を変えてやり直すため」ではなく「前へ進むため」である。だから仲間や平和を取り戻すためではあるが、ストーンを集める過程で失われた命は戻ってこない。ガモーラもロキもビジョンも、そしてナターシャも(トニーも)戻ってこないのだ。取り戻せるのはあくまで指パッチンで失われた命だけ。そこを徹底しているのがマーベルスタジオは凄いなと思う。

 

 

完璧な人間はいないが、人間は変わる事ができる

今作・・・というよりMCU全体を通して感じたテーマの一つが「人は変わる事ができる」ということだ。それがオリジナル6を通して描かれている。

 

最もわかりやすいのはトニー・スタークだろう。軍需産業で儲けてきたプレイボーイの自己中心的なトニーだったが、自分のビジネスが世界の平和を壊していることに気づき、ヒーロー・アイアンマンとなった。その後も自己中やエゴが原因で何度も過ちを繰り返し、時にはPTSDにも苦しんだ彼だか、失敗するたびに一歩成長して強くなってきた。フェーズ1の『アイアンマン』『アベンジャーズ』の頃、トニーが家庭を持ち親になるなんて誰が予想できただろうか。そして自分中心だった男は、自分より大切なモノと世界を守るために自分の命を投げ出した。一作目『アベンジャーズ』のセリフを借りるなら「鉄条網に身を投げ出した」わけだ。

 

キャップはトニーとは正反対の変化をしているから面白い。元々、世界平和のため、国のため、仲間のためだったら自己犠牲をためらわない男だった。だが、だからこそウルトロンにも言われた「戦争なしでは生きられないくせに」という矛盾にも苦しんできた。人々の平和を守るために戦ってきたけど、平和な日常で生活する自分を想像できないジレンマ。そんな彼は最後、世界の平和を取り戻せたことを確認したからこそ、初めて自分の幸せを優先したのだ。これも賛否あるけど、今まで世界のために尽くしてきたキャップだからこそ許せる選択だと僕は考えている。

 

ソーも賛否あるだろう。メンバーの中でも最初から高スペック、最強の雷神といわれる男。そんな彼が五年後、アル中の引き籠りになっているのだから批判は無理もない。しかしそれも「完璧な人間はいない。それでも人は変われる」という視点で観れば納得できる。最強なソーでも、最強に見えるソーだからこそ、そんな人間でも弱さを抱えているし、挫折もする。そういうことを描いているような気がする。何千年も挫折の無かった彼が、サノスへの敗北と、守るべき国を失い、弟を失い、民の半分を失った。おまけに防げたはずの悲劇を己の復讐心のせいで防げなかった(インフィニティーウォー終盤、サノス苦しめるため頭を狙わなかったせいで、指パッチンを防げなかった)。だから彼はトラウマを抱えて、前に進めずにいた。そんな彼も仲間と再会し、母と再会して、世界を取り戻すという目標を手に入れたからこそ、前に進むことができたのだ。

 

バーナーは、今までハルクを病気のように思って拒絶してきたけど、そんな自分(ハルク)のネガティブな側面を心の底から受け入れられたからこそ、バーナーとハルクの良い所取りの姿になれた。

ナターシャは残虐な暗殺者・スパイとして育てられた。でもアベンジャーズという家族を手に入れ、善良な人間に生まれ変わることができた。

 

各キャラ賛否両論あるけれど、とにかく皆変わったのだ。

 

 

 

 

正義とは?アベンジャーズとは?MCUとは?

ルッソ兄弟監督がいつだったかのインタビューで「自分たちが監督した4作品では、一つの一貫したテーマがあり、それの答えを今回のEGで描く」的な事を言っていた。僕はWS、CWをきっかけにキャプテン・アメリカが一番好きなキャラとなり、MCUが一番好きなエンタメとなった。そんな僕が今回のエンドゲームで読み取った答えは、「常に変化し前進すること」「自己決定の自由」「多様性を受け入れた団結」だ。

 

インフィニティーウォー公開以来、ファンが最も気になっていた今作のポイントは「サノスの提示した大義に対して、アベンジャーズはどう応えて勝利するか」だと思う。サノスの言い分は「このままの人口では資源が足りなくなり皆滅んでしまう。だからランダムに半分の命を滅ぼす事で残り半分の命を救う」というもの。前作IWでは、そのためらいのないサノスに対し、全員を救おうと犠牲を躊躇したアベンジャーズたちが敗北した。サノスは確かに強い。信念のもとためらいがなく、ハルクを圧倒するパワーを持ち、計算高く頭がいい。しかし、作品としては、ただ単に「より強い力で倒す」のでは意味がない。「お前の考える正義は間違っている」というのを力ではない理屈で示してほしかった。セリフや説明は無いが、物語の展開でそれをちゃんと証明してくれた。と思う

 

 

犠牲は正しいのか?意思決定の自由

今作でもナターシャとトニーは犠牲になったが、サノスの言う犠牲とは決定的な違いがある。それは自分以外の誰かのために、自らの意思で選択しているかどうかである。

サノスの犠牲は、他者犠牲だ。「大義のため」とは言いつつも自分勝手な理屈でロキの命を、娘ガモーラの命を、ヴィジョンの命を、全宇宙の半分の命を奪い、自分だけ農園で平和に暮らそうとした。今作の最終決戦でも不利になると仲間ごと攻撃を指示する。それはやはり正義ではなくエゴでしかない、悪なのだ。

対するアベンジャーズ面々、IWから振り返ると、ロキはソーを守るために、ガモーラはソウルストーンを渡すまいと、ストレンジはトニーの命を守るため(これはまたちょっといろいろあるが…)、ヴィジョンはストーンを揃わせないために、それぞれ自らの意思で犠牲になろうとしている。今作では、バートンとナターシャは最後まで自分が犠牲になろうとしたし、トニーは家族(世界)を守るために自らの意思で指パッチンした。

「結局犠牲が必要なのか」という意見があるが、アベンジャーズは最後まで最善策を尽くしたうえで他に選択肢が無い状況で初めて、犠牲を選択している。それに対してサノスは、上から目線で他人に「大義のために犠牲になれ」と強要しているのだ。それはやっぱり悪だ。

これがWSとCWでも既にそれぞれ描かれていたが、長くなりそうなのでそれはまた別の機会に。

 

 

多様性、団結、助け合い

そしてアベンジャーズが勝利した最大の要因は「多様性を認め合い、助け合い、団結した事」だと思う。「団結」については、シリーズを通してキャップが何度も唱えてきたことだが、今作ではそれが究極に達したと思う。

前作IWでの敗因は、団結しきれていなかったことだ。CW以来、チームはバラバラだった。しかし今回は違う。バーナーが落ちぶれたソーに言った「君に助けられた、だから今度は僕が君を助けたい」。バートンとナターシャの関係もそうだ。詳細は語られてないが、昔バートンが救ったからこそ今のナターシャがいて、そのナターシャが五年後の荒れたバートンを救ったのだ。

そして最後のアッセンブル。アベンジャーズは、出身も人種も性別も年齢も価値観も超えて団結した。暴れん坊だろうが元スパイだろうが神様だろうが未成年だろうが前科者だろうが元ヴィランだろうがアホだろうが改造人間だろうがパワーが無かろうがアベンジャーズは受け入れる。そういう多様性を受け入れて団結した。

そしてそのリーダーは他でもないキャプテン・アメリカ。彼は一作目の副題「ファースト・アベンジャー」だが、それはただ単に「歴史上最初のヒーロー」という意味だけではない。FAでもAVE1でもWSでもCWでも、今回のアッセンブル直前でも、いつも正義のために最初に立ちあがり、どんな不利な状況でも自分の信じる正義と仲間のために戦ってきた。そして仲間を信頼し、個人の選択を尊重してきた。そんな彼がキャプテンだからこそアベンジャーズは団結できたのだ。それが、独裁的でエゴで動いてきたサノスとの決定的違いだ。

 

絶対の者VS進化する者

そしてもう一つサノスとアベンジャーズの違いがある。前にも書いたがアベンジャーズは、常に変化してきた。それを象徴するのが最後のトニーだ。「私は絶対なのだ」というサノスに対して、「ならば私は、アイアンマンだ」と言ったトニー。ではここで言う「アイアンマン」とは何なのか。トニーは、失敗と挑戦を繰り返してスーツを何度も進化させてきた。「アイアンマン」とはトライ&エラーを繰り返して常に進化してきた存在なのだ。だからこそトニーは、ガントレット機能を兼ね備えた究極のマーク85を作り出す事ができ、ただの人間が最強のサノスを倒せたのだ。

 

 

 

 

と、まだまだ語りたい事は山ほどあるけど、キリが無いし語彙力も無いし疲れたので今回はこの辺で締めます。この先、今作が歴代興行収入第1位となり、記録をどこまで伸ばすのかまだまだ楽しみです。

このMCUの伝説誕生にリアルタイム世代として立ち会えた事が本当に嬉しく思います。

 

ありがとうマーベルスタジオ!ありがとうアベンジャーズ

 

 

『クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン〜失われたひろし〜』に描かれる夫婦愛について

連休中にMCU関連の記事を書きたいと思っていたのだけど、ついさっき観てきたしんちゃんのレビューがサクッと書けたのでこちらを先に投稿します。

 

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過去の名作たちを「それを知らない子供たち」に観せたいと常日頃思っている。そして昨日は甥がしんちゃんと同じ5歳の誕生日たったのでTUTAYAで借りた『クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』を持って姉の家に遊びに行った。偶然にもちょうど新作『新婚旅行ハリケーン〜失われたひろし〜』の前売券を買っていたとこのとで、甥と姪を連れて観に行ってきた。

しんちゃんに限らず、長期人気TVアニメの最新映画を観るのは何年振りだろう。たまには、自分でチョイスしない作品を観るのもいいものだ。

 

面白い作品に必要なこと


なんつーか流石長期シリーズで、面白い作品(子供が楽しむため)に必要なのは何なのか…ってのが勉強になった気がする(そういう視点で見る事自体がそもそも野暮な気もするけど…)

オタクになるとついつい「メッセージ性が」とか「整合性が」とか、そういう事を言ってしまいがち。でもそういうことよりも大切なのは、「わかりやすさ」と「面白さ」なんだと感じた。あいみょん主題歌以外の予備知識ゼロで上映時間に遅れて入り、甥の座椅子やらトイレやらでバタバタしてた僕でも(前半ちゃんと観ていなくても)ストーリーのおおよそを理解しついて行くのが簡単だった。そして、所々での小さな笑いが定期的にくるから疲れず観れる。

 

 

夫婦の話


子供ターゲットのアニメ作品とはいえ、さすが長期シリーズだと感じたのは、親向けな要素が強かったこと。主人公はしんのすけというより、ミサエ&ヒロシ夫婦だった。僕はまだ親ではないが、普通に泣いてしまった。

トレジャーハンター・インディジュンコが同行中、オムツやらミルクやら色々入った重いカバンに気づき、みさえに対する見方が足手まといから尊敬に変わる。ひろしに追い返されたみさえが泣きながら文句を叫ぶシーンなんかは、冷静に子供たちの耳を塞いで不安にさせないよう対処した上で感情を爆発させてるのが上手い。そして終盤では観てるこっちが恥ずかしくなるくらいの2人のラブラブシーンが逆に「誰もが持つ普遍的な家族の愛」をしっかり感じさせている。

 


そんな感じで、何の思い入れも無く子守りついでに観た作品だったけど、けっこう楽しめました。

あした観に行く、今年最大のイベント

あした、仕事終わりに「アベンジャーズ/エンドゲーム」を観に行く。

 

本日、2019年4月26日(金)から公開される今作

10年かけて、23作品を経てのシリーズ完結作

 

前作「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の衝撃のラストから1年、この日をどれ程待ったか…

 

僕にとっては、今年最大のイベント

 

マーベルスタジオには、一度も裏切られたことがない。

 

今現在、最も好きな映画シリーズ、最も好きなエンタメシリーズ、それが、あした完結する。

 

この1ヶ月、MCU作品ばかりを観返している。当然の「キャプテン・マーベル」、何度も観ている「アベンジャーズ(一作目)」「エイジオブウルトロン」「インフィニティウォー」はもちろん、「ファーストアベンジャー」「ウィンターソルジャー」「シビルウォー」、記念すべきMCU1作目「アイアンマン」「アイアンマン2」、そして「ガーディアンズオブギャラクシー」「スパイダーマンHC」「アントマン」「A&W

 

予習忘れは無いか?3時間膀胱は持つか?あと24時間ネタバレを躱せるか?いろんな思いが、ドキドキが、ワクワクが、止まらない。遠足前の小学生よりも落ち着かない。

 

人気バンドの解散ライブとか、アイドルの解散コンサートとか、きっとファンはこんな感情なんだろうな……

 

平成最期の映画鑑賞。

 

今日は、今から、最後の予習。「ガーディアンズオブギャラクシー/リミックス」を観ます。

 

 

満員電車、若い親子との出来事

先週、満員(なりかけ)電車に乗っていた時のひとコマ

 


端車両の開かない側のドア角に乗っていた。次の駅ですぐ隣に親子が乗ってきたので、そっと角を開けてやった。小学校低学年くらいの男の子がちょうど角の隙間に入って、若いお母さんと僕が子供を挟む状況。子供はその狭い状況を楽しんで、軽くはしゃいでいるような様子(と言っても全然気にならないレベル)。「静かにして、人に迷惑かけないで」とソワソワ焦るお母さん。たまに耳にする場面だけど、自分のすぐ側で起こったのは初めてだった。

 


こういう話を聞くたびに、ちょっと遠くで見かける度に、お母さんたちに対して毎回心の中で思うことがある。

「迷惑だなんて思ってないですよ~。むしろそんな事で、自分を、お子さんを追い詰めないでぇ~!」

 


こういう事って、意外となかなか口に出して言えないんですよね。

 


僕「(あぁ~…、言いたい。迷惑だなんて思ってないと伝えたい。)」

 


母「〇〇くん、こっちきなよ。お母さんの側、こっちの方が広いよ」

子「いやだ、こっちの方がいい」

母「なんでわざわざ狭いとこいるの?こっちきなよ」

私「(いいんだよぉ~。遊ばせてやってくれ、その狭さが子供は楽しいんだよ!僕は迷惑だなんて思ってないから!)」

 


そうやって二駅~三駅と時間は過ぎていく。

 


意を決してお母さんに一言

僕「あの…僕、全然気にしてないんで…自分を追い詰めないでください…」

母「あっ、すいません…」

 


その後も相変わらず、母は子供が他人(僕)に当たらないように気にしている様子ではあったけども…。

 


僕のひと言で、お母さんの気持ちが軽くなってくれれば良かったのだけれど、効果があったのかはわからない。

でも、自己満かもしれないけれども、ちゃんと気持ちを伝えられた僕は、その日その後、幸せな気持ちで過ごせたのでした。

 

 

 

みなさんは、電車内の親子について、どう思う??

 

 

ZARDの曲を久々に聴いて、懐かしさと平成の終わりを感じて泣きそうになった話

 

映画のレビューを目的に始めた当ブログだけど、気がつけば3ヶ月も更新していない。この3ヶ月間で観た作品で面白かったモノもいくつかあるのだけど、忙しさを言い訳に更新せずにこんな時間が経ってしまった。

今回は全然映画と関係ない記事なんだけど、映画に関わらず、その時々で感じたことは考えたことをアウトプットする訓練は常日頃やった方がいいと思っていたので投稿します。

 


もうタイトルが全てなんだけど今日あった出来事。

仕事中に同じ現場にいた他職の人がZARDのアルバムを流してて、「うわぁ~、スゲー懐かしいなぁ…」って思ってずっと聴いてた。僕はタイムリーな世代では無いのだけど、学生時代に一時期好きでずっと聴いてた。

 


その今日流してた一曲目が「Don't you see!」で、聴きだした瞬間にドラゴンボールGT(エンディング曲に使用)の映像が自動で脳内再生された。その他ははっきり曲名わからないのだけど、「あぁ~ZARDだ。90年代の空気感だ…」ってのをしばらく感じていた。

 

 

 

で、「ボーカルの坂井泉水さんが亡くなってからもうだいぶ経つんだなぁ」とかふと思った。尾崎豊は好きになった時には既にこの世にいなくて、ファンキーモンキーベイビーズは解散しちゃったし、YUIももう表舞台からは引退しちゃったし……とかって好きだったシンガーソングライターを何人か思いだしながら、「そういえば平成も残り数日なのか…」とか考えてたらなんか泣きそうになった。

 

仕事帰りの車のラジオ、現役活動中で一番好きなシンガーソングライター「あいみょん」の新曲「ハルノヒ」を聴きながら、「引退なりなんなりで彼女の新曲が聴けなくなる未来」なんてのを想像して、なんか寂しくなった。

タマデミー賞2018!(年間映画ベスト10)~後編~

疲れた…。感情と知識を文章として吐き出し、添削をして、細かな修正を加えて、世に送り出す。趣味といえども(仕事の人も)、こんな作業を毎日やっている世間一般のブロガーのみなさん、本当に尊敬しますm(_ _)m

 

それでは本題、タマデミー賞2018、6位~10位

 

6位:スリービルボード

 

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ジャンル:洋画、ドラマ/クライム

鑑賞日:4月

衝撃★★★★★

現実味★★★★★

泣き★★★☆☆

感動★★★★☆

意外性★★★★★

ネタバレ禁止

 

 

舞台はアメリカの小さな田舎町。主人公はミドルレッドという女性。娘を強姦の末に殺されて数カ月、犯人がなかなか捕まらない事で彼女の怒りの矛先は警察へと向けられる。大きな看板三枚(スリービルボード)に、警察署長を名指しで、批判する広告を出す。そんな場面から物語は始まるが…。市民から信頼のある警察署長。ミドルレッドは市民からも警察からも「やり過ぎだ」と逆に非難される。そして物語は思いがけない方向に向かっていき…。

とこんな感じのあらすじだが、この作品は本当に展開が読めなかった。登場人物もいろいろいてそれぞれ個性的なのだけど、皆それぞれに人間味があふれている。この作品の好きなところは、登場人物がみんな単色ではないという事。良いキャラは「良いキャラ」として、悪いキャラは「悪いキャラ」として、という描かれ方をしていない。現実でもそうだけど、人間と言うのはもっと多面的で、どんな人でも善の部分(光の面)と悪の部分(影の面)を持ち合わせている。はじめイヤーな奴に見える人でも時には自分を犠牲にして人のために動く事もあり、一見正しい立場のように見える人間も時には他人にものすごい攻撃的になる事もある。そういう意味で今作は現実味とドラマ性が高い。

 

 

7位:ドラゴンボール超 ブロリー

 

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ジャンル:邦画、漫画原作アニメ、アクションバトル

鑑賞日:12月

期待値★★★☆☆

笑い★★☆☆☆

泣き★★★★☆

興奮★★★★★

音楽★★★☆☆

ドラマ★★★★★

驚き★★★★☆

 

ちょっと前に記事にまとめたばかりだけど、一応ランキング用にコンパクトバージョンを書きなおす。

僕がオタクになるキッカケになった漫画がドラゴンボール。最も熱が強かったのは中二病だった10年以上前。今作は久しぶりの映画で「サイヤ人フリーザ軍の起源」をテーマにしつつ、劇場版オリジナルの人気キャラクターであるブロリーを原作者鳥山明自身の手で描き直される。

僕もブロリーは大好きなキャラクターの一人だったけど、今作では良い意味で旧劇場版とは異なるブロリーだったと感じる(詳細はネタバレになるのでここでは控える)。圧倒的な強さはそのままに、人間的な魅力が深く掘り下げられている。アクションとかバトルモノで本当にいい作品は、主人公以上に敵キャラクターが魅力的だとよく言うが、今作もその部類に入るだろう。

親が違う・立場が違う・育った環境が違う三人のサイヤ人カカロットべジータブロリー)がそれぞれ対照的に描かれていて、同じ人種でありながら異なる育ち方をした三人が大人になって出会った時の比較が面白い。

後半はこれぞドラゴンボールって感じで、バトル・アクション・空中戦・肉弾戦がとにかく大興奮。

今作の詳細レビューは、別記事にネタバレ込みで書いてあるので良かったら読んでみてください。


 

8位:デッドプール

 

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ジャンル:洋画アメコミ、コメディー、R-15指定

鑑賞日:6月

笑い★★★★★

泣き★☆☆☆☆

グロ★★★★☆

下品★★★★☆

興奮★★★★☆

新しさ★★★★☆

 

 

一作目のヒットから二年。相変わらずのR-15指定ならではの下品でバイオレンス、デップーならではのメタ発言、R指定には似合わないポップな雰囲気とカワイイ音楽など、いろんな要素が面白い。そして言ってる事やしてる事は滅茶苦茶なのに、核心で扱うテーマはけっこう真っ当だったりする。主人公ウェイドにとって、前作が「愛」を見つける物語ならば、今作は「家族」を見つける物語。

これまで多くのアメコミ映画であらゆる方面から描かれてきた「ヒーローとは何なのか?」という命題だが、今作でも新しい「ヒーロー像」が描かれた気がする。「悪を倒して弱者(市民)を守る」という単純な正義ではない。「悪」だと社会(や映画視聴者)から見られている敵に対して、彼らの痛み苦しみに寄り添う事で彼らが「悪の道に進む事」自体を回避して、結果的に敵も市民も救う。それが美しいなと感じた。

デッドプール最大の能力である「第四の壁を破る(自分を創作上のキャラクターと自覚してのメタ発言)」が今回も面白い。ウルヴァリンの悪口を言ったり、DCの事言ったり、今年公開された「インフィニティーウォー」のMCU最大のラスボス・サノスと今作のヴィラン・ケーブルが同一俳優ジョシュ・ブローリンである事もネタにする。ブラットピットがこっそりカメオ出演してるのも面白い。

 

9位:ブラックパンサー

 

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ジャンル:洋画アメコミ、アクション

鑑賞日:3月

笑い★★☆☆☆

泣き★★★☆☆

興奮★★★★☆

音楽★★★★★

 

 

 

 

MCU最大の話題作「インフィニティーウォー」前の公開となった今作。そこはMCUの素晴らしいところ。他のMCUを観ていなくても全く問題ないほどに他のヒーローとの絡みは皆無で、終始ワカンダ国に焦点が当てられている。

アフリカの架空の国ワカンダを舞台とし、背景には先進国から支配を受けた黒人文化の歴史が描かれている。ワカンダは超高度な科学技術を持ちながら、先進国の支配や搾取を避けるために、ずっとその技術を隠し鎖国状態を続けてきた。そんな国の国王となったばかりの主人公ティラチャは、国や祖先が目を背けてきた罪や問題と向き合うことになる。

ヴィランが魅力的。敵のキルモンガーはワカンダ国出身でありながらアメリカのスラムで育ってきた。発展するワカンダとは裏腹に、外の世界では多くの黒人が白人から虐げられる歴史が長い事続いてきた。同胞を救う力があるにも関わらず、自分たちだけ発展して外の問題を無視し続けてきたワカンダや白人社会そのものに復讐を仕掛ける。強くて、信念を持っていて(政治観とか行動の良し悪しは置いといて)、バトルモノの敵として魅力的。支配・搾取・迫害や差別からなる憎しみ、その憎しみが憎しみを更に生み出すという悲しき社会構造というのは、現実にも通ずるものがある気がする。

 

 

 

10位:レディ・プレイヤー1

 

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ジャンル:洋画、SFアクションアドベンチャー

鑑賞日:5月

曲★★★★☆

映像★★★★★

興奮★★★★☆

映画愛★★★★☆

現実味★★★★☆

 

 

 

今作を観たのが「インフィニティーウォー」鑑賞直後だったので、どうしての印象が薄くなってしまったのが残念。細かなストーリーは、あまり覚えていないのだけど、良い意味でよくあるアクションアドベンチャーだったような気がする。ストーリーや整合性なんか気にさせないだけのヴィジュアルと興奮が詰まっていた。

まずオープニングンの「JUMP」でおもっきしテンション上がるし、80年代のサブカルチャーが沢山出てきて映画のキャラクターを捜すのが単純に面白い。デロリアン、アキラのバイク、フレディクルーガー、チャッキー、ガンダムメカゴジラアイアンジャイアント、シャイニング、etc…とオタクのオタクによるオタクのための映画って印象を受けた。VR(仮想現実)とSNSによるネット社会、そして行き過ぎた資本主義が引き起こす搾取構造なんかリアルに近未来で起こりそうだなとも感じた(というか既に現実で起こっている?)。いろいろな作品の要素が出てきた分、自分がいかに多くの有名作品を観ていないかも思い知らされた(アイアンジャイアントとか)。

 

 

 

以上が僕が選ぶ2018年映画のベスト10でした。本当は10作以外についても言及したかったけど、慣れないPC作業と感情のアウトプットとその整理で疲れちゃいました。他の作品レビューは、また今度の機会にということで。

2019年は、下手でもいいからできるだけ沢山レビューしたいな…

 

ここまで読んでくれてありがとうございましたm(_ _)m

 

 

 

 

 

タマデミー賞2018!(年間映画ベスト10)~前編~

トータル半日以上かかったけどなんとか映画年間のマイベスト10をまとめることができた。

今年も話題作や気になる作品が多くて、どうしても観に行けなかった作品が多くある。また、ネタバレ禁止で話題の作品も多く、あわてて観に行ったのも印象的だった。そしてかなり期待していたのに少し残念に感じた作品も沢山あったなあと。

念のため書くけど、このランキングの選考条件は、2018年中に日本国内で上映されており、私が劇場で初鑑賞した作品である、ことです。とりあえず今年劇場で観た作品は以下の通り。思い出した順に書いてるので、順番はバラバラです

 

万引き家族」「デッドプール2」「レディ・プレイヤー1」「アベンジャーズ/インフィニティーウォー」「グレイテストショーマン」「スリービルボード」「銀魂2」「未来のミライ」「ヴェノム」「ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間」「アントマン&ワスプ」「インクレディブル・ファミリー」「ブラックパンサー」「カメラを止めるな!」「リビング・ザ・ゲーム」「ボヘミアン・ラプソティ」「ドラゴンボール超 ブロリー」「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」「仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER」

以上の21作品。

 

あまり引っ張ってもアレなので先にランキングを出して、その後に続けてレビューを載せます。

  1. アベンジャーズ/インフィニティーウォー
  2. グレイテスト・ショーマン
  3. カメラを止めるな!
  4. 万引き家族
  5. バッドジーニアス 危険な天才たち
  6. スリー・ビルボード
  7. ドラゴンボール超 ブロリー
  8. デッドプール
  9. ブラックパンサー
  10. レディ・プレイヤー1

です。この先一位から順番にレビュー載せます。一応、重大なネタバレは避けて書いたつもりではありますが、魅力を伝えるうえで知っていても問題が無いと判断した情報は多少書き込んでいます。未鑑賞で予備知識を全く入れずに鑑賞したいという方は、閲覧をお控え下さい。

 

それでは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一位:アベンジャーズ/インフィニティーウォー

 

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ジャンル:洋画アメコミ、クロスオーバー

鑑賞日:4月

笑い★★★☆☆

泣き★★☆☆☆

新しさ★★★★☆

期待値★★★★★

興奮★★★★★

衝撃★★★★★

音楽★★★☆☆

ネタバレ禁止

映画業界にシェアードユニバースという新たな手法・ジャンルを確立させたマーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)。これまで何度も期待値を超えた作品を送り出してきたMCUが、10年と20作品という積み重ねの上ついにたどり着いた究極の作品。

主人公クラスの何十人ものキャラクターを何の違和感もなく、無理やり感もなく、全員に見せ場と役割をあてストーリーに絡める監督の半端ない交通整理力。恐ろしいほどの情報量と156分という長尺にもかかわらず、あっという間に終わってしまうほどのめり込んでしまう。「待ってました!」と言わんばかりのヒーロー登場シーンの興奮と、「マジかよ…」と観客心を一気に陥れる絶望的展開、その緩急がどちらも大きく交互にやってくるジェットコースターのようなストーリ―展開。そして公開前から上がりに上がったハードルを監督やマーベルスタジオ自身が更に上げて、それを自ら超えていく感じ。素晴らしすぎる。そしてこれだけの贅沢な作品でありながら、あの衝撃的な終わり方で続編(「アベンジャーズ/エンドゲーム」2019.4公開)を一年焦らすというサディスティク性がたまらない。世界中のファンを「来年まで死ねない」と思わせた。

また、こういう超編シリーズモノにつきものの「一見さん予習必要か問題」について。僕なりにいろんなレビューを見聞きし、数回観直した結果、「一見さんでも予習は必要ない」という結論に至った。理由は以下の通り。シリーズ中にあるあらゆる情報の中で今作のみのストーリー展開に必要な最低限の情報は、作中でしっかり出てきている。「もっといろいろ知っていた方が楽しみは深まる」というのも理解はできるが、今作を楽しむことだけを考えると、これ以上の情報はテンポを悪くする。仮に情報不足で理解が追いつかない部分があったとしても、それを気にさせない程の勢いが今作にはある。今作を観て気にいったキャラクターができれば、その時初めて他のMCU作品を観ればいい。

他にも各キャラクターの関係性、前作のオマージュなど、語りたい事は山ほどあるけど、これ以上は長くなるのでここでは控える。

最後にマーベルの父、スタンリーのご冥福をお祈りします。夢を与てくれてありがとう。

 

2位:グレイテスト・ショーマン

 

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ジャンル:洋画ミュージカル、伝記

鑑賞日:5月

曲★★★★★

演出★★★★☆

映像★★★★☆

感動★★★★★

泣き★★★★☆

笑い★★★☆☆

 

 

サーカス(ショービジネス)を生み出した実在の実業家P.T.バーナムをヒュージャックマンが演じたミュージカル映画。サクセスストーリー、家族愛、マイノリティ、社会的格差恋愛、などあらゆるテーマを含んだ作品。

一番に言えるのは、出てくる曲がどれも素晴らしいという事。元々、今作を見に行こうと思ったキッカケは、ラジオから流れてきた「THIS IS ME」を聞いた事だ。勢いと力強さがあって、作中で社会的マイノリティとされる人々が歌う。「これが私だ!」と自ら自信をもって言うそのメッセージ性は、今のこの時代だからこそ心に強く響く。「The Other Side」は、主人公バーナムが後に相棒となるフィリップを勧誘するバーのシーンで流れるが、二人のダンスとマスターのグラスさばきが曲に見事マッチしていて、観ていて楽しい。歌姫が歌う「Never Enough」のシーンでは、セリフを使わず仕草と表情だけで各キャラクターの微妙な心情の変化とやり取りを表現しているのが凄い。「Rewrite the Stars」では、当時の社会的立場ゆえに、本来結ばれるはずのない男女二人の心のやり取りがロープブランコを使って美しく描かれている。このアンという女性を演じた女優センデイヤが美しい。昨年「スパイダーマン/ホーム・カミング」という学園モノでは、少し根暗な感じのティーンエイジャー少女を演じていたが、その時とは印象が違い過ぎて驚いた。まだ若いけど短期間で全く印象の異なる役柄を演じられるのは凄い。今後も注目の女優だ。等々多くの素晴らしい楽曲が作中見事マッチしている。今現在、ミュージカル映画の中で一番好きかもしれない。

 

 

3位:カメラを止めるな!

 

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ジャンル:邦画、ホラー、コメディー

鑑賞日:10月

怖さ★★★☆☆

笑い★★★★★

感動★★★★★

衝撃★★★★★

ネタバレ禁止

新しさ★★★★☆

 

 

ホラー映画において、僕が最も好きなジャンルが「ゾンビモノ」である。日本産ゾンビ映画で無名監督キャストが作った作品が社会現象と言えるほど話題になっている。コレは観ないわけにはいかない。

まず凄いのは、一番最初から40分ワンカットであること。演技がどうとかストーリーがどうとかそんなの差し置いてもワンカットというのは、それだけで価値がある。入りはよくあるパターン、ゾンビ映画を撮っていたら本物のゾンビが現れまして…。てなると展開が読めそうだけど、その後の展開は想像の斜め上に進んでいく。後半はひたすら複線回収の連続。良い意味で騙されて、そのタネ明かしが実に気持ちいい。著名人のコメントで見かけたのだけれど「コレは映画というメディアでしかできない手法で、作品に映画愛が溢れている」。この作品は、ひと作品で2作分の面白さがあって、終わった後にもう一度観たいと思わせる魅力がある。怖いの苦手という人にも是非観てほしい作品でした。

 

 

4位:万引き家族

 

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ジャンル:邦画ドラマ

鑑賞日:10月

泣き★★★★★

現実味★★★★★

演技★★★★★

社会派★★★★☆

 

 

 

 

これも話題作だったが、心が苦しくなる作品だった。決して「楽しかった」と言える作品ではないのだけれど、「観て良かった」と言える作品。

偽物の家族なのに本物以上にホンモノ。痛みを知る者同士だからこそ生まれる愛があり、それが絆に変わっていく。しかしそれは不正から始まったが故に、永遠には続かない。後半安藤サクラが男の子と話すシーンに号泣。そして登場する役者が皆凄い演技力。「何もしていない」を演じるみたいな。

彼らのやっていることは、社会的には許されない事なのかもしれない。しかし、彼らの生い立ちや立場を想像すると、僕には彼らを非難することはできない

作品としての続編を観たいとは思わないが、彼ら彼女らの1年後…5年後…10年後…20年後…にどんな生活をして・どういう人間になっているのかが凄く気になる。

樹木希林さんのご冥福をお祈りします。

 

5位:バッドジーニアス 危険な天才たち

 

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ジャンル:洋画(タイ)、学園、クライム

笑い★☆☆☆☆

泣き★☆☆☆☆

スリル★★★★★

衝撃★★★★☆

ネタバレ禁止

現実味★★★★★

 

 

タイの作品で学園モノだけど、犯罪モノの要素が強い。エリート学校の優秀な生徒たちが試験カンニングをビジネスとして利用していく話。

バレるかバレないかのギリギリの展開がかなりスリルがあって面白い。また物語の背景には、超学歴社会とか経済格差社会等の要素があって、登場人物の行動や心理にリアリティがある。主人公の少女は、学歴優秀だがあまり裕福でない家庭に育つ。そんな彼女がテスト中、親友に答案を教えて助ける。それを知った親友の彼氏が自分にもカンニングをさせてほしいと言い、更にそれをビジネスとして利用しようと持ちかける(親友も彼氏も裕福な家庭)。そして彼女たちは、徐々に後戻りできない危険な方向へと向かっていく。

天才的なカンニング技術、国際レベルの大学試験でバレたら人生終わりのスリル、富裕層のバカたちが裕福でない天才を(悪意なく)利用していく様、その中で生まれる倫理観との葛藤や欲望や憎しみ、それらが見事に混ざり合って最高のドラマを展開させる。

終わり方も結構好き。人間は経験を積み重ねて次の人生に進んでいく。人はその成功や失敗等の経験から反省をするが、その反省の先に進む道は善き方向・悪しき方向どちらにも転がっていく可能性がある。そういうハッピーエンド・バッドエンド中間テイストのエンディングが僕好みでした。

 

 

 

ちょっとここで疲れたので、一旦切ります。6~10位は後半で…