タマコシ シネマティック ユニバース

主に映画レビュー。その他はどーでもいーこと

タマデミー賞2018!(年間映画ベスト10)~前編~

トータル半日以上かかったけどなんとか映画年間のマイベスト10をまとめることができた。

今年も話題作や気になる作品が多くて、どうしても観に行けなかった作品が多くある。また、ネタバレ禁止で話題の作品も多く、あわてて観に行ったのも印象的だった。そしてかなり期待していたのに少し残念に感じた作品も沢山あったなあと。

念のため書くけど、このランキングの選考条件は、2018年中に日本国内で上映されており、私が劇場で初鑑賞した作品である、ことです。とりあえず今年劇場で観た作品は以下の通り。思い出した順に書いてるので、順番はバラバラです

 

万引き家族」「デッドプール2」「レディ・プレイヤー1」「アベンジャーズ/インフィニティーウォー」「グレイテストショーマン」「スリービルボード」「銀魂2」「未来のミライ」「ヴェノム」「ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間」「アントマン&ワスプ」「インクレディブル・ファミリー」「ブラックパンサー」「カメラを止めるな!」「リビング・ザ・ゲーム」「ボヘミアン・ラプソティ」「ドラゴンボール超 ブロリー」「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」「仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER」

以上の21作品。

 

あまり引っ張ってもアレなので先にランキングを出して、その後に続けてレビューを載せます。

  1. アベンジャーズ/インフィニティーウォー
  2. グレイテスト・ショーマン
  3. カメラを止めるな!
  4. 万引き家族
  5. バッドジーニアス 危険な天才たち
  6. スリー・ビルボード
  7. ドラゴンボール超 ブロリー
  8. デッドプール
  9. ブラックパンサー
  10. レディ・プレイヤー1

です。この先一位から順番にレビュー載せます。一応、重大なネタバレは避けて書いたつもりではありますが、魅力を伝えるうえで知っていても問題が無いと判断した情報は多少書き込んでいます。未鑑賞で予備知識を全く入れずに鑑賞したいという方は、閲覧をお控え下さい。

 

それでは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一位:アベンジャーズ/インフィニティーウォー

 

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ジャンル:洋画アメコミ、クロスオーバー

鑑賞日:4月

笑い★★★☆☆

泣き★★☆☆☆

新しさ★★★★☆

期待値★★★★★

興奮★★★★★

衝撃★★★★★

音楽★★★☆☆

ネタバレ禁止

映画業界にシェアードユニバースという新たな手法・ジャンルを確立させたマーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)。これまで何度も期待値を超えた作品を送り出してきたMCUが、10年と20作品という積み重ねの上ついにたどり着いた究極の作品。

主人公クラスの何十人ものキャラクターを何の違和感もなく、無理やり感もなく、全員に見せ場と役割をあてストーリーに絡める監督の半端ない交通整理力。恐ろしいほどの情報量と156分という長尺にもかかわらず、あっという間に終わってしまうほどのめり込んでしまう。「待ってました!」と言わんばかりのヒーロー登場シーンの興奮と、「マジかよ…」と観客心を一気に陥れる絶望的展開、その緩急がどちらも大きく交互にやってくるジェットコースターのようなストーリ―展開。そして公開前から上がりに上がったハードルを監督やマーベルスタジオ自身が更に上げて、それを自ら超えていく感じ。素晴らしすぎる。そしてこれだけの贅沢な作品でありながら、あの衝撃的な終わり方で続編(「アベンジャーズ/エンドゲーム」2019.4公開)を一年焦らすというサディスティク性がたまらない。世界中のファンを「来年まで死ねない」と思わせた。

また、こういう超編シリーズモノにつきものの「一見さん予習必要か問題」について。僕なりにいろんなレビューを見聞きし、数回観直した結果、「一見さんでも予習は必要ない」という結論に至った。理由は以下の通り。シリーズ中にあるあらゆる情報の中で今作のみのストーリー展開に必要な最低限の情報は、作中でしっかり出てきている。「もっといろいろ知っていた方が楽しみは深まる」というのも理解はできるが、今作を楽しむことだけを考えると、これ以上の情報はテンポを悪くする。仮に情報不足で理解が追いつかない部分があったとしても、それを気にさせない程の勢いが今作にはある。今作を観て気にいったキャラクターができれば、その時初めて他のMCU作品を観ればいい。

他にも各キャラクターの関係性、前作のオマージュなど、語りたい事は山ほどあるけど、これ以上は長くなるのでここでは控える。

最後にマーベルの父、スタンリーのご冥福をお祈りします。夢を与てくれてありがとう。

 

2位:グレイテスト・ショーマン

 

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ジャンル:洋画ミュージカル、伝記

鑑賞日:5月

曲★★★★★

演出★★★★☆

映像★★★★☆

感動★★★★★

泣き★★★★☆

笑い★★★☆☆

 

 

サーカス(ショービジネス)を生み出した実在の実業家P.T.バーナムをヒュージャックマンが演じたミュージカル映画。サクセスストーリー、家族愛、マイノリティ、社会的格差恋愛、などあらゆるテーマを含んだ作品。

一番に言えるのは、出てくる曲がどれも素晴らしいという事。元々、今作を見に行こうと思ったキッカケは、ラジオから流れてきた「THIS IS ME」を聞いた事だ。勢いと力強さがあって、作中で社会的マイノリティとされる人々が歌う。「これが私だ!」と自ら自信をもって言うそのメッセージ性は、今のこの時代だからこそ心に強く響く。「The Other Side」は、主人公バーナムが後に相棒となるフィリップを勧誘するバーのシーンで流れるが、二人のダンスとマスターのグラスさばきが曲に見事マッチしていて、観ていて楽しい。歌姫が歌う「Never Enough」のシーンでは、セリフを使わず仕草と表情だけで各キャラクターの微妙な心情の変化とやり取りを表現しているのが凄い。「Rewrite the Stars」では、当時の社会的立場ゆえに、本来結ばれるはずのない男女二人の心のやり取りがロープブランコを使って美しく描かれている。このアンという女性を演じた女優センデイヤが美しい。昨年「スパイダーマン/ホーム・カミング」という学園モノでは、少し根暗な感じのティーンエイジャー少女を演じていたが、その時とは印象が違い過ぎて驚いた。まだ若いけど短期間で全く印象の異なる役柄を演じられるのは凄い。今後も注目の女優だ。等々多くの素晴らしい楽曲が作中見事マッチしている。今現在、ミュージカル映画の中で一番好きかもしれない。

 

 

3位:カメラを止めるな!

 

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ジャンル:邦画、ホラー、コメディー

鑑賞日:10月

怖さ★★★☆☆

笑い★★★★★

感動★★★★★

衝撃★★★★★

ネタバレ禁止

新しさ★★★★☆

 

 

ホラー映画において、僕が最も好きなジャンルが「ゾンビモノ」である。日本産ゾンビ映画で無名監督キャストが作った作品が社会現象と言えるほど話題になっている。コレは観ないわけにはいかない。

まず凄いのは、一番最初から40分ワンカットであること。演技がどうとかストーリーがどうとかそんなの差し置いてもワンカットというのは、それだけで価値がある。入りはよくあるパターン、ゾンビ映画を撮っていたら本物のゾンビが現れまして…。てなると展開が読めそうだけど、その後の展開は想像の斜め上に進んでいく。後半はひたすら複線回収の連続。良い意味で騙されて、そのタネ明かしが実に気持ちいい。著名人のコメントで見かけたのだけれど「コレは映画というメディアでしかできない手法で、作品に映画愛が溢れている」。この作品は、ひと作品で2作分の面白さがあって、終わった後にもう一度観たいと思わせる魅力がある。怖いの苦手という人にも是非観てほしい作品でした。

 

 

4位:万引き家族

 

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ジャンル:邦画ドラマ

鑑賞日:10月

泣き★★★★★

現実味★★★★★

演技★★★★★

社会派★★★★☆

 

 

 

 

これも話題作だったが、心が苦しくなる作品だった。決して「楽しかった」と言える作品ではないのだけれど、「観て良かった」と言える作品。

偽物の家族なのに本物以上にホンモノ。痛みを知る者同士だからこそ生まれる愛があり、それが絆に変わっていく。しかしそれは不正から始まったが故に、永遠には続かない。後半安藤サクラが男の子と話すシーンに号泣。そして登場する役者が皆凄い演技力。「何もしていない」を演じるみたいな。

彼らのやっていることは、社会的には許されない事なのかもしれない。しかし、彼らの生い立ちや立場を想像すると、僕には彼らを非難することはできない

作品としての続編を観たいとは思わないが、彼ら彼女らの1年後…5年後…10年後…20年後…にどんな生活をして・どういう人間になっているのかが凄く気になる。

樹木希林さんのご冥福をお祈りします。

 

5位:バッドジーニアス 危険な天才たち

 

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ジャンル:洋画(タイ)、学園、クライム

笑い★☆☆☆☆

泣き★☆☆☆☆

スリル★★★★★

衝撃★★★★☆

ネタバレ禁止

現実味★★★★★

 

 

タイの作品で学園モノだけど、犯罪モノの要素が強い。エリート学校の優秀な生徒たちが試験カンニングをビジネスとして利用していく話。

バレるかバレないかのギリギリの展開がかなりスリルがあって面白い。また物語の背景には、超学歴社会とか経済格差社会等の要素があって、登場人物の行動や心理にリアリティがある。主人公の少女は、学歴優秀だがあまり裕福でない家庭に育つ。そんな彼女がテスト中、親友に答案を教えて助ける。それを知った親友の彼氏が自分にもカンニングをさせてほしいと言い、更にそれをビジネスとして利用しようと持ちかける(親友も彼氏も裕福な家庭)。そして彼女たちは、徐々に後戻りできない危険な方向へと向かっていく。

天才的なカンニング技術、国際レベルの大学試験でバレたら人生終わりのスリル、富裕層のバカたちが裕福でない天才を(悪意なく)利用していく様、その中で生まれる倫理観との葛藤や欲望や憎しみ、それらが見事に混ざり合って最高のドラマを展開させる。

終わり方も結構好き。人間は経験を積み重ねて次の人生に進んでいく。人はその成功や失敗等の経験から反省をするが、その反省の先に進む道は善き方向・悪しき方向どちらにも転がっていく可能性がある。そういうハッピーエンド・バッドエンド中間テイストのエンディングが僕好みでした。

 

 

 

ちょっとここで疲れたので、一旦切ります。6~10位は後半で…