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映画「ドラゴンボール超 ブロリー」レビュー

ドラゴンボール超 ブロリー」レビュー

 

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ずっと映画レビューのブログをやりたいと思いながらも、感情・思考・知識等をアウトプットするのに、ものすごいエネルギーと時間を必要としてしまう性格ゆえに、ずっと後回しにしてできずにいた。2019年こそは積極的にやっていけたらと思い、手始めに今日観てきた「ドラゴンボール超 ブロリー」のレビューを書く。

 

 

ジャンル:邦画、漫画原作アニメ、アクションバトル

鑑賞日:2018.12.30

方法:劇場2D

期待値★★★☆☆

笑い★★☆☆☆

泣き★★★★☆

興奮★★★★★

音楽★★★☆☆

ドラマ★★★★★

驚き★★★★☆

 

 

結論から言うと最高だった。泣いた。

 ドラゴンボールは、僕が覚えてる限り初めて本気でオタクとしてのめり込んだ作品だ。10年以上前の中学時代は自称「学年一のドラゴンボールマニア」で、初めて全巻そろえ作品たし、公式本も出るたび買って、フィギアを買い漁り、ゲーセンでは夢中でグッツを取った。そんな僕もさすがに今では、中二病時代の熱はすっかり冷め、広がりすぎるメディアミックスには興味を持てず、現代の子供たち向けに作られたTVアニメ「ドラゴンボール超」は、気にはしつつも追いかけられずにいた。「神と神」は結構好きだけど、「復活のF」はそんなに印象に残っていない。それが今回、サイヤ人フリーザ軍の歴史をメインに描きタイトルが「ブロリー」というではないか。コレはスルーする訳にはいかないと思っていた。

ブロリーと言えば、ドラゴンボールファンなら言わずと知れた人気の映画オリジナルキャラクター。原作には登場しないが、劇場版に三度も登場する(「燃え尽きろ!!熱戦・列戦・超激戦」「危険なふたり!超戦士はねむれない」「超戦士撃破!!勝つのはオレだ」)。圧倒的な戦闘力とムキムキのボディでの超高速、残忍残虐で絵に描いたような悪の敵キャラサイヤ人。悟空・べジータが「努力によって目覚めたスーパーサイヤ人」なら、ブロリーは言い伝え通り「千年に一人現れる伝説の(本物の)スーパーサイヤ人」(と僕は解釈している)。旧劇場版では、原作者鳥山明はデザインしても脚本や設定には殆ど関わっていないとか。それが今回の作品では、鳥山明自身が脚本を書きブロリーというキャラクターを描き直す。いわばセルフリメイクみたいなのが今回の作品という訳だ。

 

 

 

前置きが長くなってしまったが、以下はネタバレ込みで本題の感想。

未鑑賞の方はお気をつけください。

 

 

 

 

 

 【新しいブロリー像】

まず、第一に感じたことは、旧劇場版3作のブロリーと今回のブロリーは完全に別物だということ(もちろん良い意味で)。伝説のスーパーサイヤ人等の設定はほぼほぼ一緒だが性格は別のキャラクターだと感じた。旧劇場では完全に悪の敵キャラクターだったが、今回は運命と環境に翻弄された被害者のように見えた。超天才として生まれてしまったがゆえに、べジータ王の嫉妬で追放され、親の復讐のために虐待に近い英才教育を受け、更にフリーザの復讐のためにも道具として利用される。そのせいで普通の育ち方ができず、自分で感情のコントロールができないようになってしまった。本当は戦いたくないのに、親の道具として、権力の道具として、時代の波に流された悲しき天才児。後半悟空がブロリーに言うところ「もうこんなことは辞めろ。オメェは悪い奴じゃねえ、見りゃわかる。」ってのが泣けてくる。そして、戦いの中で段々と姿が変化していくところは「シンゴジラ」とも重なった。本人に直接的には罪は無いけど強すぎるが故に周囲にとっては脅威になるところとかも。

 

【三人のサイヤ人

前半部分のドラマパートなんかも好き。時代に翻弄された立場の違う三人のサイヤ人、天才として生まれたが親の復讐のために自由に育てられなかったブロリー(才能はあるが環境に恵まれない)、天才であり王族という恵まれた環境で傲慢に育ったべジータ(才能も環境も恵まれる)・下級戦士だが真っ当な親の愛を受け地球という優しい環境で育ったカカロット(才能は無いが環境に恵まれる)ってのが上手いこと対照的に描かれてる。その育ちがその後の性格や運命にも影響を受けてて面白い。バーダックカカロットを地球に送るシーンなんかはやっぱり泣いてしまった。

 

【これぞドラゴンボール

後半はとにかくバトルバトルバトルで興奮だった。これぞドラゴンボールって感じで、もうかなり観飽きてるはずの展開なのに映像が凄すぎて全然飽きない。インフレ上等って感じ。闘いの中で徐々にお互い姿が変化していく感じが面白い。スーパーサイヤ人ゴッドでも倒せなくて、フュージョンしてゴジータになるということ。それ程までにブロリーが強いという事がよくわかる。そして最後は平和的に終わるのも好き。

 

 

ブロリーカカロットの因縁が無かったことに】

ひとつ残念なのは、旧劇場版の好きな設定が今回使われていない事。赤ちゃんの時、保育器が隣同士だったブロリーカカロット。エリートのブロリーだが下級戦士のカカロットにケンカで負けて泣かされてしまう。その時の恨みがブロリーを駆り立てる。コレ結構好きな設定だったんだけど、今作では使われていない。まあ、作品全体のバランスとしては無しにするのが正しいのも理解できるけど。その代わりを担うのが親の行き過ぎた英才教育や王族への恨みやフリーザから利用される等の「やり場のない怒り」なのだろう。(ってか、その設定ホントにあったよな?旧作観てたのがもう何年も前だから記憶に自信が持てない・・・)

あと、2Dで観たのだけど、3Dとか4DXで観た方が良かったかなと少し後悔している。

 

平成の最後に今作を観られて良かった。